クライアントの成長に寄り添い、スムーズなDe-SPACを実現

  • 海外 SPAC 支援事例

Sonotas株式会社様
クライアントの成長に寄り添い、スムーズなDe-SPACを実現
Photo: WeWork Shinagawa

背景

“スキンケアをシンプルに”をコンセプトに掲げる『STEAMCREAM(スチームクリーム)』ブランドによるスキンケア化粧品の製造及び販売、メンズ用のパーソナルケアブランドである『CIGARRO(シガーロ)』の製造及び販売の2つのブランドを展開しているSonotas株式会社。2023年1月の、英国AQSE Growth Marketに上場しているSilverwood Brands PLCへの De-SPAC *1 を支援したのがMinami Fuji Groupだった。

*1 De-SPAC … 株式新規公開(IPO)された SPAC *2(Special Purpose Acquisition Company) が買収対象会社と合併し、一連の買収取引を完了すること。
*2 SPAC … Special Purpose Acquisition Companyの略で未公開会社の買収を目的として設立される法人のこと。英国において正確には同様のスキームについて「Cash Shell(キャッシュ・シェル)」と呼称するのが一般的だが、本事例紹介においては、端的にわかりやすく事例を理解頂きたい背景から、敢えて呼称を「SPAC」として説明する。

Andrew Tone 氏(アンドリュー・トーン)

Sonotas株式会社
代表取締役

カナダ出身
英国発祥のハンドメイド化粧品、バス用品メーカーであるLUSH(ラッシュ)において1994年の破産後におけるBritish Ensign Estatesのスポンサー投資にあたり、経営陣として主にアジアマーケットにおける再生、ブランディング業務に従事。その事業再生に目途が立った後、シリアルアントレプレナーとして新たにSonotas株式会社(旧SC.Cosmetics)を創業、代表取締役へ就任。

四宮 孝之氏

Sonotas株式会社
経営企画

神奈川県出身
大学卒業後、金融機関にて大企業を中心とした金融ファイナンス業務に従事、その後「事業会社側でのファイナンスの仕事に従事したい」という強い思いから、NIKE JAPANの設立初期メンバーとして定年まで従事、2年前よりSonotasへ参画。


Sonotas株式会社

設立:2006年10月
資本金:50,000,000円
事業概要:スキンケア化粧品の製造及び販売
https://sonotas.com/

ビジネス相関図

沿革

  • 2006年10月
    • 化粧品の製造及び販売を目的として設立(社名:SC.Cosmetics(エスシーコスメティクス)株式会社)
  • 2007年4月
    • 主力商品である「STEAMCREAM(スチームクリーム)」販売開始
  • 2008年4月
    • EC販売による取り扱いをスタート
  • 2013年11月
    • 主力商品である「CIGARRO(シガーロ)」の販売開始
  • 2013年12月
    • 本社を神奈川県から東京都港区へ移転
  • 2019年7月
    • Sonotas(ソノタス)株式会社へ社名変更
  • 2021年12月
    • Sonotas HoldingsからCIGARRO JAPAN株式会社の全株式を取得し、子会社化
  • 2021年12月
    • Sonotas株式会社とCIGARRO JAPAN株式会社を合併
  • 2023年1月
    • 英国AQSE Growth Marketに上場しているSilverwood Brands PLCによりDe-SPAC

Silverwood傘下に入る事となった経緯

Silverwood Brands PLCは、2021年に同社代表取締役Andrew Tone氏(アンドリュー・トーン)とLUSH社再生に共に携わったAndrew Gerrie氏(アンドリュー・ゲーリー)、LUSH社創設者であるMark Constantine氏(マーク・コンスタンティン)の三人が香港で立ち上げたSPACである。LUSH社を売却した資金を原資にしており、2021年に英国AQSE Growth Marketに上場している。

メンバーの中で、Andrew Gerrie氏は英国ならびにEU地域でコスメティクスブランドのベンチャーを経営しており、同様の事業をAndrew Tone氏が日本で経営していた。そこに「新型コロナウィルスの感染拡大」という環境の変化もあり、お互いまた1つになる流れになったという。

ー Andrew Tone 氏
「2020年に新商品を出そうとしましたが、新型コロナウィルス禍になったことで、コスメティクス市場の動きは止まってしまい、業界全体が大きく構造的に変化していきました。そんな中、もう少し中長期的な視点でコスメティクス領域に新しいブランドと価値観を提供していきたいと強く考えるようになり、Silverwood Brands PLCにDe-SPACされる選択肢を選ぶことになりました。」

Minami Fuji Groupとの出会い、支援の内容

当初はSilverwood Brands PLC側の立場で、De-SPAC対象となる日本のコスメティクスブランドを探していたTone氏。追いかけていた案件は最終的に他社へM&Aされてしまった背景があり、当時をこう振り返る。 

ー Andrew Tone氏
「(Minami Fuji Groupとは)共通の仕事上の知人からの紹介が出会いのきっかけでした。当時から我々の立場を理解して真摯に相談に乗っていただけました。その後、今度はSilverwood Brands PLCが、私の経営するSonotas株式会社をDe-SPACすることになり、この観点から外部専門家の立場で、デュー・ディリジェンスや会計・財務に関するアドバイザリー業務という領域で関与頂きました。」

Sonotas、Minami Fuji Group お互いそれぞれの印象

Sonotas社のファイナンス&アカウンティング部門は、グローバル企業であるNIKE JAPANの元メンバーにより構成されており、メンバー間での共通言語によってお互いの求める水準も高い。その高い意識がスムーズな物流オペレーションを可能にしている原動力だと今回担当したMinami Fuji Groupの吉川は高く評価する。現在のレベルに到達できたのも長年NIKE JAPANで知見を積み上げてきた経験豊富な四宮氏の参画によるところが大きいという。

ー四宮 孝之氏
「今回のデュー・ディリジェンスに関しては、私とファイナンスマネージャーの2名が中心となり対応しました。コミュニケーション連携をスムーズにするためにチャットでのコンタクトを密にし、作業の効率化に努めてきました。私が入社した時は、最初はどこに何があるかもわからない状態でしたが、マネージメントへのレポートラインの整備を進める中で、少しずつレベルを上げてきた努力の賜物です。」

ー吉川 青磁(Minami Fuji Group)
「まだ小さい組織ながら会社の管理体制は非常にレベルが高かったです。特に倉庫内のロケーション、物品管理については非常に整理整頓がされており、管理体制が隅々にまで行き届いていました。 資料もきちんと整理保管されており、それは四宮様の前職(NIKE JAPAN)におけるグローバルカンパニーとしての管理体制のレベルがこの小規模の会社にもインストールされていたのだと感じています。」

LUSH社では、グローバルファームのサポートを受けながら成長してきたAndrew Tone氏。
その様々な経験の中から、「お互いの仕事を理解して、歩み寄る部分は歩み寄り、困難な部分はきちんと主張をする」という誠実なビジネススタンスを持っているかどうか、そして関与してくれる人物が人として素晴らしい人物かどうか、それがビジネスにおける一番大事な部分だと語る。

ー Andrew Tone氏
「(今回のDe-SPACで)我々は上場会社としてのますますの管理体制が求められます。今後は『上場していなければやらなくてもいいことをやらなければいけない』というジレンマに陥るわけです。一方で、上場会社とはいえ規模の小さい会社であるがゆえに、グローバル企業のような管理体制を強いてしまうと、非常に高コスト体質になってしまう。この部分をMinami Fuji Groupさんは、理論的な部分を実務に照らしてとても柔軟に対応頂けた点が良かったと感じています。そういう意味で、我々の方向性とフィット感がぴったり合ったファームでした。やっぱり最終的には、「組織と組織」ではなく、「人と人」なんですね。」

今回の支援での注意点、Minami Fuji Groupの強み

複雑かつ難解に見える国際間のDe-SPAC。今回のSonotas社への支援において特徴的な点は次の2点だった。

(1)レポートの報告内容は、全て英文での対応が求められたこと。
(2)上場会社として、現状の管理体制レベルにおける課題抽出が求められたこと。

Minami Fuji Groupはメンバーの大半が、海外での実務経験および企業内部での実務経験が豊富であり、それに対しても問題なくスムーズに対応できたと実際に担当したMinami Fuji Groupの吉川は胸を張る。

ー吉川 青磁(Minami Fuji Group)
「英文での対応に関して、イギリス英語による独特な表現や言い回しと英国カルチャーやビジネス慣習については注意しました。その部分は実際に英国で勤務経験のある私が担当して問題なく対応できたと思います。上場会社となることを見据えての課題抽出に関しても、教科書レベルでの課題抽出ならどのファームでも対応可能と思いますが、(事業会社での実務経験、IPO準備会社への関与経験(社外役員含む)など)我々には実際の会社内部における実務経験のあるメンバーが多く、具体的な解決策を優先順位をつけて、スムーズに対応できました。様々な分野で経験豊富なメンバーがおり、どんな案件にも対応できるのがMinami Fuji Groupの強みですね。」

終わりに

我々の仕事は、クライアントがあってこその仕事です。それは、監査でもアドバイザリーでも同じ。大事なのは、クライアントとのコミュニケーションです。理論的な裏付けはもちろん、 常に「本件個別事案については〜」という経済事象に対しての適用検討をより実態に即して行うことが大切です。 それこそこの仕事の醍醐味であり、必ずしも答えが1つではないというところは、この仕事のやりがいだと思います。 我々メンバーは、大半が40代で世の中に対する「責任世代」になります。価値ある豊かさを次の世代に紡ぐべく、 我々は今日も西へ東へクライアントとともに、走り続けたいと思います。

大庭 崇彦(Profile


Minami Fuji Group
理事長

吉川 青磁(Profile


Minami Fuji Group
代表社員

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